バイコン製法とは、水セメント比35%以下の超固練りコンクリートを、バイコン成形機によって、強力な振動と圧縮力を加え、成形終了後に即時脱型する製法です。
コンクリート硬化に必要以上の水を極力減らし、振動(VIBRATION)と圧縮(COMPRESSION)の作用によって締め固め即時脱型するコンクリート(CONCRETE)のことです。

通常コンクリートの強度といえば圧縮強度を意味しています。
コンクリートの圧縮強度は引張・曲げ強度に比べ大きく、また圧縮強度が分かれば、その他の強度もある程度推定することができます。 引張・曲げ強度は圧縮強度と比例しています。
▶ コンクリートの圧縮強度には水セメント比がもっとも大きく影響します。
- 水セメント比の変化と強度
- 圧縮強度と水セメント比(W/C)の関係を示しています。水セメント比の増大により、圧縮強度が 減少します。

- 圧縮強度試験
- バイコンはコンクリート硬化に必要以上の水を極力減らしているため、流し込みに比べ圧縮強度が高いことが分かります。

コンクリートの中性化とは、コンクリートのアルカリ性が低下していく現象のことで、鉄筋の腐食が起こります。
鉄筋コンクリートの寿命が数十年と言われているのは中性化に原因があります。

二酸化炭素濃度を10%とした試験機にて中性化を促進させます。
- 促進中性化試験
中性化の判定方法としてはフェノールフタレイン法を用います。
(赤く変色していない部分が中性化しています)
この試験結果からバイコンは表面からの中性化深さが小さいことが確認できました。

コンクリート中の水分が凍結するとその氷圧のために微細なひびわれが起こります。
凍結と融解が繰り返されるとその損傷は激しくなっていきます。
この現象を、コンクリートの凍結融解と言い、寒冷地でのコンクリート製品では深刻な問題となっています。

下水道施設などの環境下では、薬品に対する耐久性がコンクリート製品に求められます。
- 耐薬品性
【下水道環境下にある気相面での腐食量(重量変化) 硫酸ph1.4】

- 遠心力製法
水セメント比45%程度
▼
遠心力(回転力)により、比重の重い骨材が外側に片寄り、比重の軽いセメントペースト分は内側に片寄る傾向になります。

- 流込み製法
水セメント比50%程度
▼
振動により比重の重い骨材が下側に片寄り、比重の軽いセメントペースト分は上側に片寄る傾向になります。

- バイコン製法
水セメント比38%
▼
セメント・骨材が
均一・密実。

強度 | ||
---|---|---|
26.8N/㎟ | 22.0N/㎟ | 40.4N/㎟ |
凍結融解性 | ||
- | 相対動弾性係数 57.2% | 相対動弾性係数 94.4% |
擦り減り抵抗性 | ||
- | 6.91% | 3.71% |
中性化(w/cにおける中性化0.5cm到達年数) | ||
19年 | 6年 | 54年 |
環境負荷軽減(1t製造時のCO2)排出量 | ||
151% | 135% | 100% |
吸水率 | ||
5% | 6% | 3% |